加重移動平均(WMA)とは — テクニカル分析での見方・計算式・注意点

概要

加重移動平均(WMA)は、テクニカル分析で使われる、直近 nn 本の終値に対して、新しいものほど大きい重みを直線的に割り当てた平均です。最新の足に nn、1 本前に n−1n-1、……、最も古い足に 11 の重みを付けます。「線形加重移動平均(LWMA)」とも呼ばれます。

計算例

合成データに加重移動平均(既定パラメータ)を適用した例で、実在の銘柄・価格ではありません。ドラッグで移動、ホイール・ピンチで拡大縮小できます。

計算式

WMAt=∑i=0n−1(n−i) Ct−i∑k=1nk=∑i=0n−1(n−i) Ct−in(n+1)/2\mathrm{WMA}_t = \frac{\sum_{i=0}^{n-1} (n-i)\,C_{t-i}}{\sum_{k=1}^{n} k} = \frac{\sum_{i=0}^{n-1} (n-i)\,C_{t-i}}{n(n+1)/2}

計算手順

  1. 直近 nn 本の終値に、古い順に 1,2,…,n1, 2, \dots, n の重みを掛けて合計する
  2. 重みの合計 n(n+1)/2n(n+1)/2 で割る

性質

この指標のポイント

直近の価格ほど大きな重みをつけて平均した線です。ふつうの平均より、最近の値動きが線に早く表れます。

テクニカル分析で、直近の一定期間の終値に「新しいものほど大きい重み」を直線的に付けて平均し、価格の水準を滑らかな線で見る指標です。

一般的な分類
順張り(トレンドフォロー)系に分類される。移動平均の一種で、価格の水準を平滑化して方向の変化を遅れて確認する設計です。重みを新しい側に寄せることで、同じ期間の SMA より遅れを小さくしています
一般にどんな場面で参照されるか
  • 価格の細かな上下動をならし、水準を連続した線として見たいとき
  • 期間の異なる加重移動平均や、価格との位置関係を観察するとき
  • ハル移動平均(HMA)のように、遅れを小さくする工夫をした移動平均の部品として使われるとき
チャート上で確かめられる点
  • 価格が線の上にあるか、下にあるか
  • 線が上向きか、下向きか、横ばいか
  • 同じ期間の SMA と比べて、線が価格の動きにどれだけ近いか
  • 比べている移動平均が WMA か SMA か EMA か
この指標の特徴
  • 同じ期間の SMA より遅れが小さくなります
  • $n$ 本より前のデータの影響は完全になくなり、窓の外の値に左右されません
  • 重みが等差で増える単純な形で、計算の意味を追いやすい移動平均です
知っておきたい限界
  • 重みの付け方が異なる移動平均どうしでは、同じ期間でも値が一致しません
  • 期間の選択に唯一の正解はありません
  • 過去の価格から計算した事実であり、その後の値動きを示すものではありません
ほかの指標との違い
  • SMA: SMA は直近 $n$ 本を等しい重みで平均します。WMA は新しい足ほど重みが大きく、同じ $n$ なら遅れが小さくなります
  • EMA: EMA は重みが指数的に減衰し、理論上は過去すべての影響が残ります。WMA は重みが直線的に減り、$n$ 本より前の影響はなくなります
組み合わせて参照されることの多い指標
単純移動平均(SMA)、指数平滑移動平均(EMA)

一般的な使われ方

SMA や EMA と同様に、価格の平滑化と水準の把握に用いられます。また、ハル移動平均(HMA) のように、遅れを小さくする工夫をした移動平均の部品としても使われます。

仕様

英語名Weighted Moving Average
分類トレンド系
既定パラメータ期間 20
出力系列WMA(価格チャートに重ねる)
本サイトの実装ブラウザ内でインクリメンタル計算。既知値テストで検証済み(算出方法と検証方法)

注意点

本サイトの実装

重み付き和を「前回の重み付き和 − 前回の窓の単純和 + n×n \times 最新値」で更新し、1 本あたり O(1)O(1) で計算します。TA-Lib の WMA と一致することを既知値テストで確認しています。

関連する指標

本解説は上記文献に基づく一般的な見解の紹介であり、指標の解釈は流派・文献により異なります。将来の値動きを予測・保証するものではありません。詳細は免責事項をご覧ください。

本ページには広告が含まれます。