ボリンジャーバンドとは — テクニカル分析での見方・計算式・σ の注意点

概要

ボリンジャーバンドは、John Bollinger が 1980 年代に考案した、テクニカル分析で使われる指標です。移動平均を中心線とし、その上下に標準偏差の倍数だけ離れたバンドを描きます。考案者自身による解説書 Bollinger on Bollinger Bands(2001 年)があります。価格の水準と変動の大きさを同時に表示できる点が特徴です。

計算例

合成データにボリンジャーバンド(既定パラメータ)を適用した例で、実在の銘柄・価格ではありません。ドラッグで移動、ホイール・ピンチで拡大縮小できます。

計算式

期間 nn の SMA を μt\mu_t、同じ nn 本の終値の母標準偏差を σt\sigma_t、倍率を kk とすると、

σt=1n∑i=0n−1(Ct−i−μt)2\sigma_t = \sqrt{\frac{1}{n}\sum_{i=0}^{n-1}\left(C_{t-i} - \mu_t\right)^2}
Uppert=μt+kσt,Middlet=μt,Lowert=μt−kσt\mathrm{Upper}_t = \mu_t + k\sigma_t, \qquad \mathrm{Middle}_t = \mu_t, \qquad \mathrm{Lower}_t = \mu_t - k\sigma_t

計算手順

  1. 直近 nn 本の終値の単純平均(中心線)を求める
  2. 同じ nn 本について、平均からの偏差の二乗の平均の平方根(母標準偏差)を求める
  3. 中心線に標準偏差の kk 倍を足したものを上側バンド、引いたものを下側バンドとする

性質

この指標のポイント

平均的な価格の線を真ん中に引き、その上下に「ふだんの値動きの大きさ」の何倍かだけ離れた線を足した帯です。値動きが大きくなると帯は広がり、小さくなると狭まります。

テクニカル分析で、単純移動平均(一定期間の価格の平均)を中心線に、標準偏差(価格のばらつきの大きさ)の倍数だけ離れた上下のバンドを描き、価格の水準と変動の大きさを同時に見る指標です。

一般的な分類
方向ではなく、状態(変動の大きさなど)を測る。方向ではなく、直近の値動きの大きさに応じてバンドの幅が変わる状態を表示する設計のため、系統は定めません
一般にどんな場面で参照されるか
  • 終値がバンドのどの位置にあるかを観察するとき
  • バンド幅が広がっているか、狭まっている(スクイーズ)かを調べるとき
  • 位置関係や幅を数値化した %B やバンド幅で、値の推移を調べるとき
チャート上で確かめられる点
  • 終値が中心線・上側バンド・下側バンドのどこに位置しているか
  • バンドの幅が直近と比べて広がっているか、狭まっているか
  • 終値がバンドの外側に出ているか、その後の終値がバンドのどこに位置しているか
この指標の特徴
  • 価格の水準と変動の大きさを、1 つの図で同時に見られます
  • 変動が大きくなるとバンドが広がるため、値動きの大きさの変化が見た目に表れます
  • 多くのソフトウェアが同じ母標準偏差の定義を採用しており、突き合わせやすい指標です
知っておきたい限界
  • ±2σ の範囲に約 95% が収まるという説明は、独立な正規分布を仮定した場合の性質で、価格の変動には当てはまりません
  • 標準偏差は直近の値動きから計算されるため、バンドは将来の価格の範囲を示すものではありません
  • 終値がバンドの外側に出ることは定義上起こりえます
  • 期間 $n$ と倍率 $k$ の選び方によって見た目が変わります
ほかの指標との違い
  • 移動平均(SMA): SMA は価格の水準だけを表します。ボリンジャーバンドは SMA に加えて、変動の大きさに応じた上下のバンドを持ちます
  • 標準偏差(stddev): 標準偏差は、窓内の終値が平均からどれだけ散らばっているかを、価格と同じ単位で表します。ボリンジャーバンドはそれを平均線の上下に重ねて、価格の水準と並べて見られるようにします
組み合わせて参照されることの多い指標
単純移動平均(SMA)

一般的な使われ方

終値とバンドの位置関係、バンド幅の拡大・縮小(バンド幅が狭い状態は「スクイーズ」と呼ばれます)が観察の対象とされます。位置関係と幅を数値化したものが %B と バンド幅 です。

仕様

英語名Bollinger Bands
分類ボラティリティ系
考案者・原典John Bollinger, Bollinger on Bollinger Bands(2001)
既定パラメータ期間 20 / 標準偏差の倍率 2
出力系列+kσ(価格チャートに重ねる)、中心線(価格チャートに重ねる)、−kσ(価格チャートに重ねる)
本サイトの実装ブラウザ内でインクリメンタル計算。既知値テストで検証済み(算出方法と検証方法)

注意点

本サイトの実装

移動和と移動二乗和から平均と分散を O(1)O(1) で更新します。大きな価格水準で生じやすい桁落ちを避けるため、最初の値を基準にずらして集計しています。TA-Lib の BBANDS と一致することを既知値テストで確認しています。

関連する指標

参考文献

  1. John Bollinger (2001). Bollinger on Bollinger Bands. McGraw-Hill

本解説は上記文献に基づく一般的な見解の紹介であり、指標の解釈は流派・文献により異なります。将来の値動きを予測・保証するものではありません。詳細は免責事項をご覧ください。

本ページには広告が含まれます。