アルーン(Aroon)とは — テクニカル分析での見方・計算式・注意点
概要
アルーン(Aroon)は、テクニカル分析で使われる、Tushar S. Chande が考案した指標です。価格の水準ではなく、「期間内の最高値・最安値が何本前に付いたか」という時間の情報から、Aroon Up と Aroon Down の 2 本の線を作ります。
計算例
計算式
期間を 、直近 本の中で最高値が付いてからの経過本数を 、最安値からの経過本数を とすると、
計算手順
- 直近 本(当日を含む)で最高値・最安値が付いた位置を求める
- それぞれ当日から何本前か()を数える
- 上の式で 0〜100 に換算する
性質
- 値の範囲: 当日に最高値を付けると Aroon Up は 100、ちょうど 本前が最高値なら 0 になります
- とびとびの値: 経過本数は整数なので、値は 刻みの離散的な値を取ります
- 時間の指標: 価格の変化幅は考慮されず、極値が付いた「時期」だけが反映されます
この指標のポイント
直近の一定期間のなかで、いちばん高い価格やいちばん低い価格が「何本前に付いたか」を数えて、0 から 100 の値にしたものです。価格がどれだけ動いたかではなく、いつ付いたかを見ます。
テクニカル分析で、期間内の最高値・最安値が付いてからの経過本数(ローソク足の本数)を 0〜100 に換算し、Aroon Up と Aroon Down の 2 本の線で表す指標です。
- 一般的な分類
- 順張り(トレンドフォロー)系に分類される。期間内の高値・安値の更新時期から値動きの方向の偏りを見る設計で、価格の変化後に確認する順張り系の分類です
- 一般にどんな場面で参照されるか
- 高値と安値のどちらが最近更新されたかを、価格の幅ではなく時期で見たいとき
- Aroon Up と Aroon Down の大小関係や交差を観察するとき
- 両者の差を 1 本にした Aroon オシレーターで、位置関係を観察するとき
- チャート上で確かめられる点
- Aroon Up と Aroon Down のどちらが上にあるか、交差したか
- それぞれの値が 100 や 0 に近いか(当日に近い時期に高値・安値が付いたか)
- 値が $100/n$ 刻みの離散的な値で動いていることを確かめる
- この指標の特徴
- 価格の水準に依存せず、極値が付いた時期だけで値が決まります
- 値が 0〜100 の範囲に収まり、同じ期間であれば、価格水準の違うものどうしでも並べて見られます
- 1 本の価格の変動幅に引きずられず、時期の情報だけが反映されます
- 知っておきたい限界
- 交差は計算上の位置関係の変化であり、その後の値動きを示すものではありません
- 価格の変化幅は考慮されないため、動きの大きさは読み取れません
- 同じ値の高値(安値)が期間内に複数あると、どれを採用するかで値が変わります
- 窓の取り方($n$ 本か $n+1$ 本か)がソフトウェアによって異なる場合があります
- 過去の価格から計算した事実であり、その後の値動きを示すものではありません
- ほかの指標との違い
- ADX / DMI: ADX は高値・安値の前日比の変化幅から作られます。アルーンは変化幅を使わず、極値が付いた時期だけを使います
- 組み合わせて参照されることの多い指標
- ADX / DMI(方向性指数)、ドンチャン・チャネル
一般的な使われ方
Aroon Up と Aroon Down の大小関係や交差、それぞれの水準が観察の対象とされます。両者の差を 1 本の線にした「Aroon オシレーター」も用いられます。
仕様
| 英語名 | Aroon |
|---|---|
| 分類 | トレンド系 |
| 考案者・原典 | Tushar S. Chande(1995) |
| 既定パラメータ | 期間 25 |
| 出力系列 | Aroon Up(別ペイン)、Aroon Down(別ペイン) |
| 本サイトの実装 | ブラウザ内でインクリメンタル計算。既知値テストで検証済み(算出方法と検証方法) |
注意点
- 同じ値の高値(安値)が期間内に複数ある場合、どれを採用するかで値が変わります。本サイトは最も新しいものを採用しています
- 窓の取り方( 本か 本か)はソフトウェアによって異なる場合があります。本サイトは 本で計算しています
本サイトの実装
期間の最高値・最安値とその位置を単調両端キューで管理し、1 本あたり償却 で更新します。TA-Lib の AROON と一致することを既知値テストで確認しています。
関連する指標
参考文献
- Tushar S. Chande, Stanley Kroll (1994). The New Technical Trader. Wiley
本解説は上記文献に基づく一般的な見解の紹介であり、指標の解釈は流派・文献により異なります。将来の値動きを予測・保証するものではありません。詳細は免責事項をご覧ください。
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