アルーン(Aroon)とは — テクニカル分析での見方・計算式・注意点

概要

アルーン(Aroon)は、テクニカル分析で使われる、Tushar S. Chande が考案した指標です。価格の水準ではなく、「期間内の最高値・最安値が何本前に付いたか」という時間の情報から、Aroon Up と Aroon Down の 2 本の線を作ります。

計算例

合成データにアルーン(既定パラメータ)を適用した例で、実在の銘柄・価格ではありません。ドラッグで移動、ホイール・ピンチで拡大縮小できます。

計算式

期間を nn、直近 n+1n+1 本の中で最高値が付いてからの経過本数を dtHd^{H}_t、最安値からの経過本数を dtLd^{L}_t とすると、

AroonUpt=100⋅n−dtHn,AroonDownt=100⋅n−dtLn\mathrm{AroonUp}_t = 100 \cdot \frac{n - d^{H}_t}{n}, \qquad \mathrm{AroonDown}_t = 100 \cdot \frac{n - d^{L}_t}{n}

計算手順

  1. 直近 n+1n+1 本(当日を含む)で最高値・最安値が付いた位置を求める
  2. それぞれ当日から何本前か(0∼n0 \sim n)を数える
  3. 上の式で 0〜100 に換算する

性質

この指標のポイント

直近の一定期間のなかで、いちばん高い価格やいちばん低い価格が「何本前に付いたか」を数えて、0 から 100 の値にしたものです。価格がどれだけ動いたかではなく、いつ付いたかを見ます。

テクニカル分析で、期間内の最高値・最安値が付いてからの経過本数(ローソク足の本数)を 0〜100 に換算し、Aroon Up と Aroon Down の 2 本の線で表す指標です。

一般的な分類
順張り(トレンドフォロー)系に分類される。期間内の高値・安値の更新時期から値動きの方向の偏りを見る設計で、価格の変化後に確認する順張り系の分類です
一般にどんな場面で参照されるか
  • 高値と安値のどちらが最近更新されたかを、価格の幅ではなく時期で見たいとき
  • Aroon Up と Aroon Down の大小関係や交差を観察するとき
  • 両者の差を 1 本にした Aroon オシレーターで、位置関係を観察するとき
チャート上で確かめられる点
  • Aroon Up と Aroon Down のどちらが上にあるか、交差したか
  • それぞれの値が 100 や 0 に近いか(当日に近い時期に高値・安値が付いたか)
  • 値が $100/n$ 刻みの離散的な値で動いていることを確かめる
この指標の特徴
  • 価格の水準に依存せず、極値が付いた時期だけで値が決まります
  • 値が 0〜100 の範囲に収まり、同じ期間であれば、価格水準の違うものどうしでも並べて見られます
  • 1 本の価格の変動幅に引きずられず、時期の情報だけが反映されます
知っておきたい限界
  • 交差は計算上の位置関係の変化であり、その後の値動きを示すものではありません
  • 価格の変化幅は考慮されないため、動きの大きさは読み取れません
  • 同じ値の高値(安値)が期間内に複数あると、どれを採用するかで値が変わります
  • 窓の取り方($n$ 本か $n+1$ 本か)がソフトウェアによって異なる場合があります
  • 過去の価格から計算した事実であり、その後の値動きを示すものではありません
ほかの指標との違い
  • ADX / DMI: ADX は高値・安値の前日比の変化幅から作られます。アルーンは変化幅を使わず、極値が付いた時期だけを使います
組み合わせて参照されることの多い指標
ADX / DMI(方向性指数)、ドンチャン・チャネル

一般的な使われ方

Aroon Up と Aroon Down の大小関係や交差、それぞれの水準が観察の対象とされます。両者の差を 1 本の線にした「Aroon オシレーター」も用いられます。

仕様

英語名Aroon
分類トレンド系
考案者・原典Tushar S. Chande(1995)
既定パラメータ期間 25
出力系列Aroon Up(別ペイン)、Aroon Down(別ペイン)
本サイトの実装ブラウザ内でインクリメンタル計算。既知値テストで検証済み(算出方法と検証方法)

注意点

本サイトの実装

期間の最高値・最安値とその位置を単調両端キューで管理し、1 本あたり償却 O(1)O(1) で更新します。TA-Lib の AROON と一致することを既知値テストで確認しています。

関連する指標

参考文献

  1. Tushar S. Chande, Stanley Kroll (1994). The New Technical Trader. Wiley

本解説は上記文献に基づく一般的な見解の紹介であり、指標の解釈は流派・文献により異なります。将来の値動きを予測・保証するものではありません。詳細は免責事項をご覧ください。

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